リタイア前は、仕事を中心とした日常を送っていました。
朝起きて仕事に行き、仕事をするのはもちろんのこと、仕事がらみでに行く会食や飲み会なども日常の一部にすぎませんでした。
仕事で扱う案件の内容は日々変化するのですが、その内容が変わったぐらいで非日常を感じることはありませんでした。
また、仕事のあとに行く会食や飲み会など、仕事がらみで行く会食や飲み会も仕事の延長だと思っていました。そのためか、その際に初めて行くお店に行ったり、初めて会う人と出会っても非日常を感じることはありませんでした。
さらに、休みの日の気分転換も、自分の中では仕事の延長と大差ないものと思っていたので、休みの日に遊びに出かけても、それぐらいでは非日常を感じられませんでした。
あくまで気分転換が目的で、実際にはその間も仕事のことを考えていました。
気分転換のために旅行に行っても、数日程度のそれほど遠方ではない国内旅行だと、同様に非日常を感じることができませんでした。
なので、非日常を感じるため、何とか時間を作って海外旅行に行くようにしていました。
期間は長くても1週間程度でしたが、海外に行くとさすがに非日常感を味わうことができました。
日常とは使う言葉も異なり、周りの風景も変わるので、普段とは違う頭を使ったり、周囲から感じることも大きく違うことが非日常感を作ってくれていたように思います。

リタイアしてからは、この日常と非日常との境目が大きく変わりました。
リタイアしてからは、家事を中心として、一日のほとんどを自宅かその周辺で過ごしています。
人と会うことも減り、一人で過ごす時間が増えました。
朝起きて、散歩に行き、戻ってから英語の学習アプリをして、朝刊を読んで、家事をする。家事の合間に、このブログを書いたり、SNSへ投稿をしたり、筋トレをしたり、オンラインで情報学リスキング講座を受講したり、読書をしたり、小説の執筆に挑戦したりする。そういった時間の過ごし方が、日常になりました。
なので、買い物などの家事や用事以外の目的での外出は、全て非日常だと感じるようになりました。
食事は基本的には自宅で取るので、外食するだけでも非日常を感じられるようになりました。
当然、会食や飲み会などでも非日常を感じることができます。
さらに、遊びに出かければ、それが近場であっても、もう非日常の世界です。
旅行も、短期間の国内旅行はもちろんのこと、日帰り旅行であっても非日常感を味わえるようになりました。
このように、リタイアの前後で、自分の日常と非日常との境目は大きく変わったのですが、その最も大きな原因は日常が変わったことなのは明らかです。
でも、それだけではなく、リタイアしたことで、時間と心に余裕ができたこともその原因の一つだと思います。
分かりにくいかも知れませんが、時間と心に余裕ができたことで、それまでには気付かなかったり、感じることのなかった小さな変化にも敏感になりました。
その結果、それまでだと日常の一部にしか感じられなかった変化であっても、非日常を感じられるようになったように思います。
それまで仕事だけに集中していたセンサーが解放されたような気がします。
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