孤独と孤独感は別のものだとよく言われています。
自分も、それはそう思います。
孤独というのは、一人っきりの状態のことを指し、他人との交流がないとか、集団の中で孤立しているといった状態のことを意味すると考えています。
これに対して、孤独感はその本人の内心の問題であり、自分は一人っきりで淋しいとか、他人から相手にされず孤立していてつらいなど、その本人の感情を意味すると考えています。
なので、孤独でなくても孤独感を感じている人は世の中には多くいるようですし、逆に孤独であっても孤独感を感じない場合もあるのではないかと思います。
そして、世の中には、孤独であったり、孤独感を感じることは良くないことであるといった風潮があるように思えます。
なので、ネットにも、孤独や孤独感を解消するための方法などに関する情報が溢れています。

個人的には、リタイアする前は仕事が中心の生活で、常に仕事仲間たちに囲まれており、孤独ではありませんでした。
これに対して、リタイア後はどうかというと、常に誰かと一緒にいるということはなくなり、一人で過ごす時間が増えましたが、それなりの頻度で旧友ら、仲の良いご近所さんたち、親族などとの交流があるので孤独ではないと思います。
そして、この孤独に関しては、自分が行動することで解消することが可能だと考えています。
例えば趣味のサークルに参加したり、ボランティア活動に参加するなど自分から積極的に他人との交流を求めていけば、常に一人っきりでいるという状態を解消することは、個人差はあるでしょうがそれほど難しいことではないように思えます。
これに対して、孤独感については、リタイア前から感じることはありました。
いくら常に仕事仲間たちに囲まれていてもです。
突き詰めて考えてみれば、人間は一人で生まれて、この世から去って行くときも一人ですし、また他人から完全に理解されるということもありませんから、孤独感を感じることがあるというのは当然のことのように思います。
さらに、いつも誰かと一緒にいることに慣れてしまうと、たまに一人っきりになるだけでも簡単に孤独感を感じてしまうかもしれません。耐性が弱くなるということは十分に考えられます。
たぶん自分の場合も、孤独感についての耐性は弱くなっていたように思います。
そのことに気付いたのは、リタイアする約1年前でした。
そこで、そのころから、一人で行動することを意識的に増やすようにしました。
それまでなら、ちょっとした買い物でも誰かを誘って一緒に行っていたのを、一人で行くようにするとか、一人で散歩をするようにするといった簡単なことから始めました。
その甲斐もあってか、リタイアして一人で過ごす時間が増えても、特に孤独感を強く感じるということはありません。
リタイア後も、孤独感を感じることはたまにありますが、それほど深刻なものではありません。おそらく、誰もが感じる程度のものです。
それよりも逆に、一人でいる気楽さというものを感じられるようになりました。
リタイアする前は、他人と一緒にいるのが煩わしいと思うことがあっても、なかなか一人でいる時間を持つことはできませんでした。
しかし、リタイア後は一人で過ごす時間が増えたことで、案外一人だとくつろげるし、やりたいことを人目を気にせずできるなど、気楽で良いことも多いということに気付きました。
なので現時点では、孤独感に関しては、一人でいる気楽さとの相関関係で丁度良い塩梅になっているように思います。
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