リタイアする前は、仕事をしているときはもちろんのこと、それ以外のことでも、常に効率を良くすることばかり考えていました。
もともと、せっかちで、面倒くさがりなこともあって、何をするときでも、できる限り無駄なことを省き、効率的に行動していました。
そのせいなのか、いつもどこか忙しなく、何かに追われる日々を送っていました。
そんな生活の中で、面倒くさいからと、次第に手間のかかることはやらないようになりました。
そうやって、面白いとか楽しいといった感情が少しずつ失われていったような気がします。
どこかに遊びに行っても、目的地により早く到着して、より早く帰宅することのできるルートを探し、寄り道などもってのほかでした。
遊んでいるときでも、頭の中では帰るときに渋滞に巻き込まれないように早めに帰ろうなどといった少し先の行動ばかりを考えて、ちっとも楽しくありませんでした。

さすがに、リタイア生活に入ってからは、このままではいけない、このままでは毎日の生活を楽しめないと考え、効率性を追い求めるのをやめることにしました。
時間はあるのだから、何をするにしても急ぐ必要など全くないのですから。
何かをするとき、場当たり的、出たとこ勝負で構わないと考え、先回りして不安対策をしないようにしました。
子供の頃を振り返ってみれば、楽しいことや面白いことというのは、手間のかかる面倒くさいことの中にあることが多かったように思い、もう一度、手間のかかる面倒くさいことにも積極的に手を出すことにしました。
そして、実際にリタイア生活に入ってからは、それを少しずつ実践しています。
例えば、どこかに出かけても、途中で気になる場所があれば、迷わず寄り道します。道中に寄りたい場所があれば、遠回りをしてでも、そこに寄ります。
旅行に行くときにも、ざっくりとした計画しか立てず、行く先々で気の向くままに行く場所を決めています。
買い物に行っても、スーパーやお店の中をうろうろと周回して、その日に食べたいものを探したり、お気に入りの商品を見つけたりしています。
また、料理にしても、DIYにしても、以前なら手間をかけてまでやろうとは思いませんでしたが、今は一手間かけて美味しく作る、時間をかけて見栄え良くすることを心がけています。
そういう風にしているうちに、段々とこれまでは目に入ってはいても気に留めなかった周囲の風景や物などがはっきりと認識できるようになってきました。
そして、この約2年で、ちょっとしたことが面白く思えたり、楽しく感じられるようになってきました。
まだまだ、リハビリ中ですが、これからも自分自身が面白いと思えることや楽しいと思えることを沢山やっていきたいと思っています。
コメント