皆さんは、「モーニング・ページ」というものをご存知でしょうか?
自分は、リタイア生活を始めてから知りました。
ジュリア・キャメロン著の『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』というベストラセー本の中で紹介されているメソッドです。
同書によると、「モーニング・ページ」は自分の内面を探るツールであり、取り組めばやりたいことが見つかるとされています。
やり方は簡単で、朝起きて直ぐに、A4版のノートに手書きで3ページ、何でも良いからとにかく書いて、それを誰にも見せないというそれだけです。
本当に書く内容は何でも良く、頭に浮かんだことや、極端に言えば「書くことが思いつかない。」という文章だけを繰り返し書いて3ページを埋め尽くしても良いようです。
同書ではこれを実践することで、自分の中の創造性を発揮できるようになり、生き生きとした自分を取り戻すことができるとされています。

自分の場合は、リタイアしてしばらくしたころに、この「モーニング・ページ」というものをYouTubeの動画でたまたま知り、同書も少し読んでみました。
眉唾だと思いながらも、自分はとにかく何でも一度は試してみる質なので、この「モーニング・ページ」を試してみました。
百均でA4版のノートを買ってきて、朝起きて直ぐに、毎日3ページ思いついたことを書き殴りました。
A4版ノートの3ページは思いのほか書くスペースが大きく、はじめは3ページを埋めるのは大変でした。
しかし、慣れてくると、昨日の出来事や昔の想い出などを書くことで割合と簡単に3ページを埋められるようになりました。
約2週間は続けてみたと思うのですが、個人的には、あまり効果はありませんでした。
少なくとも、昔やりたかったのにできなかったことを思い出したり、新たにやりたいことは見つかりませんでした。
この「モーニング・ページ」は、自分が見たYouTube動画の解説では、朝一に理性をコントロールする脳を疲れさせることで、アーティスト的な発想をする脳が理性のコントロールに邪魔をされずに動くようにして、自分のやりたいこと、やりたかったことなどを発想しやすくするというメソッドだと説明されていました。
この説明を前提にすると、自分には効果がなかった理由が分かります。
まずは、そもそも普段から文章を書き慣れているので、朝からA4版ノート3ページにどうでも良い内容のことを書き殴ったぐらいでは、それほど脳が疲れないことです。
これが、毎回何かテーマを与えられて論理的な文章を書けと言われれば、もしかしたら理性をコントロールする脳を疲れさせることができたのかもしれませんが、どうでも良い内容だとそうはなりませんでした。
しかも、もし仮に何かテーマを与えられて書くぐらいなら、自分でやりたいことを見つけるための適切なテーマを設定して書いた方が建設的であるような気がしました。
次に、自分の場合、そこまでして無理矢理やりたいことを見つけようとしなくても、普通に考えるだけでも、自分がやりたいことぐらい思いつくことです。
リタイアしてから、小説を書きたいということ(未だに全く書けていませんが……)をはじめとして、やりたいことや、やってみたいことをリストアップしたところ、そこそこの数のことを書き出すことができました。
試してみて、個人的に思ったのは、結局のところ、多くの人は、やりたいことや、やってみたいことが見つからないのではなく、思いついてもやってみないだけなのではないかということでした。
「モーニング・ページ」は、そのメソッドを一度試してみることにより、「とにかく何でもやってみる」という体験をすることの方が大事で、実際にこれを実践できた人は、これを契機として他のことも「とにかくやってみる」ことができるようになる気がします。
そして、その結果として自分がやりたいことに巡り会ったり、やりたいことを自分で作り出すことができる確率が高くなるのではないかと思います。
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