「ミッドライフ・クライシス」という言葉を一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
いわゆる「中年の危機」と言われるもので、近時、ネットなどでもよく取り上げられるようになりました。
調べてみたところ、その定義するところについては、論者によって様々なのですが、ほぼ共通するのは、中年期(主として40代~50代にかけて)に陥る精神的あるいは心理的な危機(不調)のことを指すとのことです。
その精神的あるいは心理的な危機(不調)の主な内容としては、過去における選択への後悔、現在自分のやっていることへの疑問、将来への不安などが挙げられ、これらが自分自身の存在否定や人生の意味に対する疑問などに発展し、気力や行動力が低下したり、ときには鬱症状につながることもあるようです。
その原因については複数の要因が挙げられていますが、要は人生の折り返し地点ないしはそれを過ぎたあたりで生じる出来事や変化がその要因であるとされています。
例えば、仕事で先が見えてきたとか、家族関係や友人関係の変化とか、体力の低下などがよく挙げられています。
そして、これを乗り越えるための方法などが、いくつか紹介されていることが多いと思います。

これを自分に当てはめてみると、上記の要因とされるものは、全て経験しました。
特に、仕事については、先が見えてきたということもあったと思いますが、ここらで一旦立ち止まる必要があると考えて、やめてしまいました。
自分の場合は、仕事をやめたことも影響しているのですが、家族関係や友人関係も大きく変わりました。
体力についても、その低下を強く感じているので、何とか現状を維持できないものかと、意識して歩いたり、軽い筋トレをするようになりました。
このように要因とされるものは全て経験していますが、幸い今のところ目立った精神的あるいは心理的な危機(不調)には陥っていないように思います。
過去における選択への後悔という点については、これまで自分なりに進路や人生の岐路での選択においては、自分の頭で考え、自分自身で判断するようにしてきたので、特に後悔していることは思いつきません。
現在自分のやっていることへの疑問、将来への不安という点については、自分の場合には、特に中年期になってからというわけではなく、少年期、青年期から常に強く持ち続けていました。これらを強く持ち続けながらも、ずっと何とかやってきていたので、特に中年期になって、これらがさらに強くなるということはありませんでした。
言うなれば、自分の場合は、常に「危機(不調)」を抱えながら生きてきたわけで、中年期だけが特別というわけではなかったのです。
なので、中年期に限って、特に気力や行動力が低下するなどといったことはありませんでした。
むしろ、それ以前から、周期的に気力や行動力の低下に陥ることがあり、これと折り合いをつけながらどうにかこうにか生きてきたので、既にやり過ごす術を身につけていたのかもしれません。
このような自分自身についての分析は、リタイア生活に入ってから行ったものです。
リタイア前は、仕事のコトばかり考えていて、ゆっくりと自分と向き合って、自分のことを考える余裕はありませんでした。
逆にリタイアすると、否応なしに自分と向き合う時間が増えるので、自分のことをよく考えるようになると思います。
リタイアしてからも、周期的に気力や行動力の低下に陥ることがあますが、そのようなときには、次のように考えることが多いように思います。
人間は生きている限り、常に孤独感、不安、恐怖心などから逃れることはできないものですが、これらを紛らわすためには、他人に頼ったり、依存したりするのではなく、自分自身で行動するほかないと。
そして、このように考えて、実際に自分自身で何かしらの行動をしています。
コメント