リタイアの前と後とで、自分が意識して変えようとしていることの一つに「スピード感」があります。
ここでの「スピード感」は、乗り物などの速度に関するそれではなく、物事を行うときなどにかける時間のそれです。
前に「リタイア生活でやめたこと~効率性の追求」でも書いたように、もともと「せっかち」な性格なので、何でも効率的に早くやろうとするところがあって、リタイア前は、他人にゆっくりとされるとイライラすることもよくありました。
リタイア前の仕事では、これがマイナスに働くこともありましたが、どちらかというとプラスに働くことの方が多かったように思います。
速いレスポンスや速い行動によって、それなりの成果を出すことができていました。
おそらく、周りの人たちに迷惑をかけていたことも多々あったのだろうとは思いますが……。

リタイアしてからも、しばらくは同じような「スピード感」で生活をしていました。
その結果、せっかくリタイアして時間ができたのに、「ゆとり」というものを全く感じられないでいました。
それで、これではダメだと思い、「スピード感」を意識して変えるようにしました。
「せっかち」な性格はそのままなのですが、意識と行動はある程度自分でコントロールできるはずだと考えました。
具体的には、自分の中で一つ一つの行動にかける時間としてそれまでに持っていた感覚を見直し、自分で勝手に作っていたリミットを外すことにしました。
例えば、買い物に行った際、前は長くても30分以内で終わるように、スーパーなどの店内では買いたい物を最短距離の移動で買えるように考えていました。
なので、いつもセカセカとしていて、他の買い物客とぶつかったりすることもよくありました。
レジでは、一番早く進みそうな列に並び、その予想が外れて前の方でモタモタされると、イライラとしていました。
セルフレジを使う方が早いか、有人のレジの方が早いかなども考えて選択していました。
今は、買い物に行っても、特に時間を気にしないようにしています。ダラダラとするわけではありませんが、今日はどんなものが入っているだろうか、何か美味しそうなものがないだろうかなどと考えながら、ゆっくりと買い物をするようになりました。
その結果、あらかじめ決めていた献立を変えることもあります。
また、昔ならまず立ち寄ることのなかった催事場を覗いたりもするようになりました。
レジもその日の気分で、有人の方に並んでみたり、セルフレジを使ったりと、早いか遅いかで選ぶのはやめました。もう、イライラとはしなくなりました。
たったこれだけのことなのですが、それでも、新商品を見つけたり、最新のセルフレジの機能に驚いたりと、新しい発見があって少し楽しい気分になります。
人それぞれだとは思いますが、自分の場合には、それまでの「スピード感」、とくかく「効率的に早く」のままで生活していたら感じることのできない楽しさを、少し「ゆっくり」としてみることで感じることが増えました。
「ゆとり」の中でしか感じることのできない楽しさというものが、少しずつですが分かってきたような気がします。
料理なども段取り良くはするのですが、そこに少々手間をかけて「ゆっくり」とすることを加えることで、レシピ通りでは出ない味が出せるようになってきているのではないかと思います。
まだまだなことも多いのですが、これからも「ゆっくり」とすることを意識して行動に取り入れていきたいと考えています。
最終的には、一つでも楽しみが増えるよう、「スピード感」にメリハリをつけられるようになればベストなのではないかと思っています。
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