『午後の恐竜』

読書

無類の本好き」とまで言えるかどうかは分かりませんが、本を読むのは好きです。
自分の場合、本を読むのが好きになった理由は一つだけではなく、複数あって、それらは段階的なものでした。

まずは、小学校の図書室に揃っていた江戸川乱歩さんの「少年探偵シリーズ」が面白くて、このシリーズを読み始めました。
確か、小学校の中学年くらいだったと思いますが、当時の友だちと競うようにして、このシリーズを読破しました。
このシリーズは、小林少年を団長とする少年探偵団が怪人二十面相に挑むという内容で、明智探偵が最後に登場するという展開が多かったように記憶しています。

次に、小学校の高学年でハマったのが、星新一さんのSFショートショート小説でした。
近所に住んでいた中学生のお兄さんの影響で読み始めました。
文庫化されていた何冊かを貸してもらって読み、すっかりとハマってしまいました。
そして、運の良いことに、いとこの姉が、単行本も含め当時発刊されていた星新一さんのSFショートショート小説全て所有していたので、これらを全て譲ってもらいました。
譲り受けてからは、それこそ、むさぼるようにこれらを読みました。

その後長らく、星新一さんの作品を読むことはなかったのですが、リタイア後に自分でもショートショート小説を書いてみようと思い立ちました。
ショートショート小説を対象とした文学賞である「坊ちゃん文学賞」というものがあることを知り、これに応募してみようと思ったのがきっかけでした。

そして、その参考のために近くの図書館でショートショート小説など数冊を借りたのですが、その中の一冊が、星新一さんの「午後の恐竜」でした。
この「午後の恐竜」は、小学生の時に読んだ当時から、スケールの大きい面白い話しだなと思い、強く印象に残っていたので、借りることにしました。
今回、読み返してみて、本当に秀逸な作品だなと改めて思いました。

ネタバレになってしまいますが、地球が終わる日を迎え、その直前に地球の過去の記憶が走馬灯のように蘇るというストーリーです。
このストーリーが、ある家族のやり取りを通りして、特に悲壮感を漂わせることもなく、短い文章の中で淡々と描かれています。
読み返してみて、自分だけのランキングでは、現時点で、この「午後の恐竜」が星新一さんの作品の中でNo.1になりました。
自分でも、このような作品を書けるようになりたいです。

星新一さんの作品に興味を持たれたならば、「星新一ショートショートセレクション【全15巻セット】」というのがありますので、そちらをどうぞ。
個人的にお勧めの一冊は、やはり「午後の恐竜」です。


コメント

タイトルとURLをコピーしました